カヤックはどのように沈するのか。
吉野川ツアー報告3では、沈の過程を検証します。
特集の主人公サイトウさん(仮名)。
過去の吉野川ツアーでは「亜脱臼事件」など、多くのエピソードがあるお方です。
初めてお会いした頃、木津川の恭仁大橋下の瀬でレンタルのポリエチレン艇L-1で豪快に
沈したあとの心から楽しそうな笑顔は10年近く経った今でも鮮明に思い出すことができます。
今回、「亜脱臼の瀬」は難なく通過したのですが、先の報告ページ2でご紹介した
ツーリング前半の瀬で吉野川の洗礼を受けられました。
それでは、沈の全貌をボクシングに例えてご紹介します。
今回、最も難易度が高かった瀬。
波高はそれほどでもないのですが、水流と波が立つ方向はかなり複雑。
コースについて解説すると、この地点約150m上流の広い川幅から
この写真上部ほどに川幅が狭くなり、それからゆるやかな左カーブを描いているので
本流は遠心力でカーブ外側に発生。かなりカーブ内側へのコース取りを意識して
パドリングしないと、まずこの位置まで来ることができません。
ならば、最初から左岸(実際には中洲ですが)寄りでこの瀬に突入すれば簡単だと思われますが
その最初が右岸側から進入せざるを得ないため、どうしてもカーブ外側からの攻略となります。
写真では分かりにくいですが、この位置の約10m上流の中洲側には衝突するほどの岩があります
ので、その岩を通過してからでなければ、インコースへの移動が開始できないのです。
ここでは左右の軽いジャブ。
右ジャブから左ショートフック。
左ボディブロー。
強く突き上げる左アッパーカット。
とどめの左ブーメランフック。
ダメ押しに渾身の左ストレート。
ノックダウン!
ゴーグルを装着されていれば水中はこのような視界であったと推測されます。
サイトウさま、次回吉野川ツアーを予定した暁には
「落し物を探しに」、「忘れ物を受け取りに」、もう一度ご参加ください。
この度はツアーへのご参加、誠にありがとうございました。
吉野の自然につづく