ファルトボートのフレームは個々の部品の集合体です。
今回の記事ではアルミフレーム艇・アルピナシリーズのスターン側
デッキ端部に装着している、テンションベルトのガイドをご紹介します。
部品メーカーからの納入時はすべてのエッジが面取りされていない状態。
このままでは、怪我や船体布側の平ベルトの破断の原因となるため
手作業でエッジ(角)を落とします。
まずは小型のエアーサンダーを使用して荒削りします。
サンダーで荒削りした状態。
ここからは複数の紙やすりを使い、角がなめらかになるように仕上げます。
仕上がった状態。
最終的にはこのようにステムの一部となります。
現在の素材はジュラコン樹脂※(正式名称ポリアセタール)製ですが
初期のアルピナはアルミの削り出しでした。
お手持ちの艇の、この部品がアルミ製なら、シリアルナンバーは小さいはずです。
(船体内側右にあるシリアルナンバーは手書きかも知れません。)
※ジュラコン樹脂…寸法安定性、耐疲労性、耐油、耐薬品性に優れた
エンジニアリングプラスチックの一種。腐食がほとんど発生せず
自己潤滑性があるため、摩擦係数が小さく、耐磨耗性にも優れる。
フジタカヌー 上田洋樹
納品 進水 初めてのカヤック そして初沈 12月6日(火)
本日はアルピナ-2-430を納品しました。
午前9時40分、遠方からオーナーさまがご来社。
簡単に艇をご説明してから、まだ一度もカヤックに乗られたことがないので
笠置のカヌー広場にて、90分のショートカヌースクールを行いました。
スクール開始前の記念の1枚。
そして、もう1枚。
1ヶ月以上も前にオーダーいただいた新艇ですが、お仕事のご都合で本日やっとお渡し
することができました。今日までこの進水の日を励みにお仕事されていたそうです。
そんな念願の日を迎えられた嬉しさが伝わってくる1枚。
陸上講習にて。今日はマンツーマンで講習を行いました。
装備について、漕ぎ方、艇の持ち方・運び方、乗り降り、沈した時の対処法など
30分ほど、じっくりとご説明してから、いざ水上へ!
乗艇前には、二人だけでしたが、木津川の水でささやかな進水式を行いました。
進水おめでとうございます!これからの安全を祈っています。
キラキラと水面に反射する初冬の日差しがきれいでした。
笠置の紅葉は今が見ごろです。
最初はまっすぐに進まなかったですが、20分も漕ぎ続けていると
体の力が少し抜けて、まっすぐ進むようになってきました。
と安心していたら、終了間際に轟沈!
「それ以上倒したら沈しますよ。」とお伝えしようとした瞬間でした・・・。
果敢にリーンの限界に挑戦されたゆえの結果。ナイストライでした。
笠置の紅葉と、水を弾く新艇の船体布の状態も際立ったカットです。
最後は秋の水上の優雅な1枚。
このあと、フジタカヌー笠置工場に戻り、着替えていただき、食事休憩をはさんで
ファルトの組み立て、分解、収納と一通りご説明したのでした。
今日はとても心に残る納品でした。
しばらくお一人で乗られるとのことですが、くれぐれもお気をつけて楽しいひとときを
お過ごしください。分からないことがあればいつでもお電話くださいね。
何度も遠方からお越しくださいまして、本当にありがとうございました。
またご一緒できる日を楽しみにしています。
フジタカヌー 上田洋樹
技術の向上を目指して 木津川ステップアップツーリング 11月26日(土)
秋が終わり、季節は冬へと移り変わろうとしています。そんな季節に木津川にて
技術の向上を目指す「ステップアップツーリング」を行いました。
土曜日はこれ以上ないほどの晴天。
空は青く澄み渡り、水温はかなり低下しているものの、透明感のある水もきれいでした。
午前は陸上にて、姿勢やパドルの握りなど、基本について20分ほど詳しく説明。
それから水上に舟を浮かべて、実際にそれらを練習していただきました。
ツーリング前には波に対するブレードの入れ方をお伝えしました。
10時50分、笠置を出発。
ツーリング前半は主にフォワードストロークでの上半身の使い方と
リーン(艇の傾き)についてご説明して、練習をしながら下りました。
時にはゆったりと漕ぎ進みます。
水面に映る鮮やかな青空、すがすがしいひとときでした。
流れがある地点では20分ほどフェリーグライドの練習。
この地点で約1/4の航程でしたが、3回の沈がありました。
再出発前にはバックフェリーの方法と、それを活用する場面や状況をお伝えして
ゴールするまでに実際に何度もバックフェリーで障害物を回避する練習をしました。
12時30分、砕石場前の浜にて昼食休憩。
午後の部開始前に記念の1枚。この日は男性7名、女性3名のご参加でした。
昼食後は横移動についての講習から。説明後に瀞場でドローストロークと
スカーリングを練習していただきました。
この時の模様は動画で撮影していますので、写真を申し込まれた方は
今のご自身のフォームをじっくりご確認ください。
14時40分、加茂・恭仁大橋を通過。
このあたりから少しペースを上げてゴールを目指しました。
最後の休憩後には、フォワードストロークについて、下半身の使い方や
上半身の関節の動きやその順番、上手の使い方、水中からのブレードの抜き方など
短い時間ではありましたが、一通りご説明しました。
ツーリング後半は沈みかけた太陽が、時に前方の様子が分からないほど眩しかったですが
空と水面に映る太陽を見ると、ツーリングが終わりに近づいていることを実感しました。
16時15分、木津・泉大橋着。この日も無事にツーリング終了。
10名の皆さん、ご参加ありがとうございました。
このツアーでは何度も練習を繰り返す皆さんの姿がとても印象的でした。
上達するには練習あるのみですが、この日の講習が少しでも上達するための
近道になれば嬉しく思います。分からないことがあれば、またご一緒した時にでも
何でもお尋ねくださいね。
今後も更なるステップアップを目指しましょう!
フジタカヌー 上田洋樹
川から海へ 伊勢湾シーカヤッキングツアー 8月27日(土)
8月最後の土曜日、伊勢湾へ行ってきました。
いつもの鳥羽ツアーではホテルメ湯楽々からの周遊ですが
今回は少しコースを変えて、五十鈴川派川からスタート。
川から海に出て二見の夫婦岩で昼食休憩をとり
午後は沖に浮かぶ飛島からイルカ島を経て鳥羽に着艇しました。
7時50分の二見の空。
広範囲に湧き上がる入道雲から幾筋もの光が放射状に伸びていました。
この日の好天を予感させるすがすがしい光景でしたが、出艇前の車の
回送時には路面を強くたたきつけるゲリラ豪雨。午前の天候は曇りでした。
五十鈴川派川にて出艇直後の1枚。
出艇時は干潮。ヘドロ状の川底と相まって乗艇は大変でした。
ご参加の皆さん、ご迷惑をおかけしました・・・。
約4kmのリバーツーリングと二見での昼食休憩を終えて
再出発前に全員で記念撮影。この浜の左側に夫婦岩があります。
午後からは青空が広がりました。
今回は自艇でのご参加が多かったです。
艇はシーカヤック、ファルトボート、リジッドとさまざま。
アルピナ2-430で伊勢湾をゆく。
後方の山々の山水画のようなグラデーションがとてもきれいでした。
飛島(御前島)にて通称「オールバック島」をバックに記念撮影。
ここでは30分ほど休憩しました。
飛島での最後の休憩を終えて、イルカ島へ向かう途中の1枚。
太陽は西に傾き、海上は光を反射してきらめいていました。
オブジェのようにじっとたたずむウミネコ。
やがて空へと羽ばたいて行きました。
ゴール直前の1枚。
この日は台風12号が太平洋を北上していたため、波の状態が心配でしたが
終始おだやかな海上をツーリングすることができました。
着艇は16時半。ツーリングが無事に終了しました。
車の回収時に撮影した17時の出艇地の様子。
朝の状態から一変して、なみなみと水をたたえていました。
ご参加の皆さん、今回もありがとうございました。
季節は夏から秋へと移ろい始め、毎日が過ごしやすくなってきました。
秋からのツアーもどうぞよろしくお願いいたします。
フジタカヌー 上田洋樹
2011.8.28(日)木津川 笠置カヌースクール報告
夏休み最後の週末もあってか、この日のカヌースクールは小さい子供達の参加率高し。
ちびっ子達の元気な歓声は風に乗って、遠く広がる雲にまで届いたはず。
レンタル艇のアルピナ2-460にて参加の親子。
「私がこのお舟を動かしてるの♪」
笑顔で振り向いてくれているお子さんの笑顔が最高ですね!
こちらは小学一年生の男の子。
今まではお父さんとの2人艇で参加でしたが、この日が木津川を一人で漕ぎ下った
記念すべき日です。
午後からのミニツアー。
生まれて初めて体験する瀬は進行方向の反対向き。
バウを上流を向けながら流れに入ってくるには驚きましたが、本人は余裕の笑顔。
午前中でパドルの使い方を理解できていたので、そのまま見守っていると、
慌てずに自分で態勢を立て直して、上手に瀬を漕ぎ抜けることができていました。
年齢を問わず大好評の飛び込み岩にて。
たっぷり遊んだあとは、爽やかな笑顔で記念撮影。
今回もご参加いただき、ありがとうございます。
また皆さんの笑顔にお会いできる日を楽しみに!
4月23日(土)木津川山桜ツアー 報告
2011年度のお花見カヌー・カヤックツアーも、今回で最後です。
メインである山桜は、残念ながらほとんどが散り終わっていました。
細かい雨が断続的に降り続く中、川柳(カワヤナギ)を始め、木津川の岸沿いに
芽吹いた、新緑の輝くような景色を楽しみながら漕ぎます。
雨除けのタープ設営と、お味噌汁を作る班に分かれ、昼食休憩の準備。
全員の協力で作り上げた快適な空間。温かいお味噌汁も、また格別の味わいです。
カヌー初体験の息子さんとご一緒に、アルピナ2-430をレンタルしてのご参加。
ぴったり息があったパドリングで、川べりの景色を楽しまれていました。
セイヨウカラシナの黄色い花が、帯状に大群生!
思わず歓声が上がりました。
お馴染のツアーもコースの選択次第で、まだ見たことがない素晴らしい景色が
広がっていますね。
ゴールの泉大橋到着。
各自の艇をスタッフ号のトラックに積み込んで笠置に戻ります。
カヌースクールでも好評の温泉「笠置いこいの館」で冷えた体を温めて、
今回も笑顔あふれる一日を過ごしていただけました。
ありがとうございました。
横浜国際ボートショー2011開幕です
横浜国際ボートショウ2011が開催しました。
折りたたみ式カヌー・カヤックのフジタカヌーも、元気に出展しております!
間寛平さんのトークショウが行われることもあってか、初日から沢山の人達で
賑わっています。
我らがカヌーブースにも、毎年顔を出してくださる方や、始めてファルトボートを
目にされる方など、多くの出会いがありました。
ボートショウは6日(日)PM5:00まで開催です。
随時組み立て実演も行っておりますので、ご希望の方はお気軽にお声掛けください。
ただし、混み合っている時など、お時間をいただくことがあります。
写真中央部が、試作艇のAL-450プロトタイプです。
シーカヤックでとり回しのしやすい4.5メートルのサイズに、フレームにアルミと
グラスの素材を使ったハイブリット艇です。
ジャパンインターナショナルボートショー2011に出展します
3月3日〜6日パシフィコ横浜で開催されます「ジャパンインターナショナルボートショー2011」に、
今年もフジタカヌーは出展します。
カヌー・カヤックだけでなく、ボートやヨットを始め、海や水に関係する企業が
たくさん集まります。
詳しいご案内はこちらから
期間中は各艇の展示と、ALシリーズとPEシリーズの組み立て・分解説明をします。
折りたたみができるファルトボートとはどのようなものか。
実際に間近でご覧頂くことができます。
※混み合っている時などは、実演の時間をずらさせていただくこともあります。
また、アルピナシリーズの新作である4.5メートルの試作艇も展示します。
関東方面にお住まいのユーザーや、カヌー愛好家の方々と直接お話できるこの機会。
スタッフ一同。皆様とお会いできます事を楽しみにしております。
9枚のパドリング写真 11月6日(土)吉野川ツアー報告2
吉野川ツアー報告2では、瀬をゆく様子を、お一人ずつご紹介します。
出艇直後はおだやかな流れが続きますが、写真のように川幅が狭くなって
流速が増す地点がいくつもありました。
コース前半で最も難易度が高かった瀬。この地点の流れはかなり複雑で
あらゆる方向からの波に対処しなくてはなりません。
以後、瀬を通過するまでを順に掲載します。
昼食休憩と堰堤でのポーテージを終えて、ツーリング後半にある落ち込み。
この日は水位がやや高めでしたので、落差は大きくなかったですが
落ち込み直後の波は高く、爽快な瞬間を楽しむことができました。
オーダーでデジタルカメラの水中ハウジングを固定するための自由雲台を艤装したA-1。
沈したらハウジングが割れないだろうかと、ツーリング前から心配でしたが大丈夫でした。
ツーリング終盤、パドルのシャフトが西日に反射しています。
瀬を楽しまれている雰囲気が表情から伝わってくる1枚です。
この地点から、5分ほどで全員無事に着艇。皆さん、ご無事で何よりでした。
吉野川ツアーの写真は本日(11月10日)発送を終えましたので
近日中にお手元に届くと思います。今度は寛ぎながら吉野川をお楽しみください。
特集につづく
2011年のツアー予定もご覧くださいませ!
本日の沈の確率60% 11月6日(土)吉野川ツアー報告1
空は澄み、風はなく、水は豊かな大和の吉野。
本日、無事に吉野川ツアーが終了。
今回はコースを半分上流側に繰り上げて、出艇を大和上市付近、着艇を芝崎としました。
鮎釣りが盛んな時期、上市からの下流6kmの区間は釣り人が川の中に立ち並ぶため
ツーリングは困難な状況ですが、11月になると釣り人の姿はなく
今日は水位がやや高めということもあって、当日に急遽コースを変更しました。
国道169号線から見る吉野川は、いたっておだやかな流れですが、実際に川を下ると
そんな印象からは想像できないほどの瀬がいくつか存在します。
タイトルでも記載しましたが、本日の沈の確率は60%。
「吉野川沈道中」の様子は後日ご紹介するとして、まずは集合写真を公開します。
出艇前、眩しいほどの日差しを受けて。上市にて。
この時点では、皆さんとっても元気でした。
出艇から約5時間後、ゴールにたどり着いて。
TEAM 「On water」とTEAM 「Water inside」に分かれて記念撮影。
どちらのグループが、いずれのチームに属するのかはご参加の方々の名誉のために伏せますが
写真のポーズからその所属をご判断くださいませ。
参加メンバーの皆さん、ご協力ありがとうございました。
ほぼイメージ通りのカットを撮影することができました。
ではでは、報告ページ1の最後は、吉野川ツアー488枚の写真の中からただ1枚
栄えある「フォトジェニック大賞」を発表いたします。
水のベールとしぶきをまとい波をゆく
シングル艇のように見えますが、このカヤックはタンデム艇のアルピナ2-430です。
いつも遠くからのご参加ありがとうございます。
つづく