パシフィコ横浜にて、3月1日から4日にわたって開催された
国際ボートショーへのご来場、誠にありがとうございました。
普段、関東方面の方々と直接お話できる機会は少ないですが、今年も多くの方々に
フジタカヌーのファルトボートを知っていただくことができました。
非常に有意義な4日間だったように感じます。
2012ボートショー報告・動画(会場の様子)はこちらからどうぞ。
毎年、この横浜でのボートショーを終えると、季節は一気に春めいてきます。
冬のカヌーメーカーの仕事は、通常の出荷業務に加えて
来るべき春、カヌーシーズンに備えること。
現在、フジタカヌー社屋入り口にあるゴンドラには、各機種が勢揃いしています。
アルピナ1-400 オーダーカラーのペールピンク(薄く淡いピンクです)。
ユーザー、販売店の皆さまご注文受付中です!
あと1ヶ月もすれば、水辺は桜など、春の花の季節。
フジタカヌーでは春分の日からカヌースクールが始まります。
2012年のスクールとツアーもよろしくお願いいたします。
フジタカヌー 上田洋樹
川から海へ 伊勢湾シーカヤッキングツアー 8月27日(土)
8月最後の土曜日、伊勢湾へ行ってきました。
いつもの鳥羽ツアーではホテルメ湯楽々からの周遊ですが
今回は少しコースを変えて、五十鈴川派川からスタート。
川から海に出て二見の夫婦岩で昼食休憩をとり
午後は沖に浮かぶ飛島からイルカ島を経て鳥羽に着艇しました。
7時50分の二見の空。
広範囲に湧き上がる入道雲から幾筋もの光が放射状に伸びていました。
この日の好天を予感させるすがすがしい光景でしたが、出艇前の車の
回送時には路面を強くたたきつけるゲリラ豪雨。午前の天候は曇りでした。
五十鈴川派川にて出艇直後の1枚。
出艇時は干潮。ヘドロ状の川底と相まって乗艇は大変でした。
ご参加の皆さん、ご迷惑をおかけしました・・・。
約4kmのリバーツーリングと二見での昼食休憩を終えて
再出発前に全員で記念撮影。この浜の左側に夫婦岩があります。
午後からは青空が広がりました。
今回は自艇でのご参加が多かったです。
艇はシーカヤック、ファルトボート、リジッドとさまざま。
アルピナ2-430で伊勢湾をゆく。
後方の山々の山水画のようなグラデーションがとてもきれいでした。
飛島(御前島)にて通称「オールバック島」をバックに記念撮影。
ここでは30分ほど休憩しました。
飛島での最後の休憩を終えて、イルカ島へ向かう途中の1枚。
太陽は西に傾き、海上は光を反射してきらめいていました。
オブジェのようにじっとたたずむウミネコ。
やがて空へと羽ばたいて行きました。
ゴール直前の1枚。
この日は台風12号が太平洋を北上していたため、波の状態が心配でしたが
終始おだやかな海上をツーリングすることができました。
着艇は16時半。ツーリングが無事に終了しました。
車の回収時に撮影した17時の出艇地の様子。
朝の状態から一変して、なみなみと水をたたえていました。
ご参加の皆さん、今回もありがとうございました。
季節は夏から秋へと移ろい始め、毎日が過ごしやすくなってきました。
秋からのツアーもどうぞよろしくお願いいたします。
フジタカヌー 上田洋樹
アルミフレーム艇 アルピナシリーズのリブフレームが完成するまで
前回はグラスとウッドのハイブリッド艇のPEシリーズ(PE-400・480スペリオ)の
リブフレームの製作についてご紹介しましたが、続いてアルミフレーム艇の同じ
リブフレームが出来上がるまでをご紹介します。
アルミ艇のリブフレームは1本のアルミパイプをベンダーという機械で曲げて
端部をリベットで接合しています。
ガンネルやチャインパイプを受けるためのチャンネルという白い部品や
デッキパイプ、インナーストリンガーを受けるためのカップを取り付ける箇所には
それぞれドリルで穴が開けられています。
作業に入る前に錆びを防ぐために潤滑油をウエスに軽く吹きかけてリブフレームを拭きます。
クレ556より666のほうが効果的です。
クレ666はホームセンターやオートバックスで販売しています。
このオイルは防錆・防湿・潤滑効果があり、定期的にアルミフレームに塗布されると
組み立てや分解がしやすくなります。
海で使用された場合は真水でしっかりと海水を洗い流してから水分を拭き取り
フレーム全体(特に継ぎ芯やボタン)にご使用ください。
まずはチャンネルを仮止めします。
仮止めのネジがゆるい状態で、ネジのゆるみを防ぐ錆び防止剤を1滴流し込みます。
本締めした状態。
すべてのチャンネルのネジを締めてからは、
ハンドリベッターでインナーストリンガーを受けるためのカップを取り付けます。
ここではアルミ無垢材から削り出したカップとステンレス製中空リベットと
ステンレスワッシャーを使用します。中空リベットとは文字通り中が空洞になっています。
リベットでカップを取り付けた状態。
1枚のリブに3個のカップを取り付けると、
完成です。
オプションのロアストリンガー(アルピナ2-460は標準装備)を装着する場合は
ベルクロ(マジックテープ)をチャンネルとパイプの間に挟みこんで、下部にあと
2つのチャンネルを装着します。
2枚のリブフレームなら仕上げるまで5分ほどです。
前回のPEシリーズのリブフレームに比べると、あっという間に完成します。
PE-1-400・480スペリオ ファルトボートのリブフレームが完成するまで その【1】
ファルトボート(折りたたみ式カヌー・カヤック)のフレームは大きく分けて
前後方向の縦通フレーム(ステム、キール、ガンネル、チャイン、ストリンガー)と
リブフレームの2つから成り立っています。
リブフレームとはその名の通り人の体に例えると肋骨のようなもの。
最も少ないのはアルピナ1-310の3枚。
最も多いのはPE-1-430・480・500の7枚です。
ちなみにキールを人の体に例えると背骨となります。
キールは和訳すると竜骨。
前後先端のステム部を含めると、まさに竜のような形状となります。
現在、PE-1-400スペリオと480スペリオのリブフレームを製作していますので
今日からリブフレームが仕上がるまでの工程を皆さんにご紹介します。
厚さ15mmのマリン合板(完全耐水合板)をコンピュータ制御のNC自動切削機で
切り出してからはすべて手作業で仕上げます。
サンダーという研磨機で平面と側面(小口)を研磨してから焼印処理をします。それから
エッジ部の面取りをして、エアガンで細かいおが屑を吹き飛ばし、1回目のニス塗装。
湿度や気温によって初期の塗装は2回する時があります。
1度目の塗装が乾いてからは工作機械を使わずに手で仕上げていきます。
最初の紙やすりは120番。そこから番数を上げて(目を細かくして)研磨作業を繰り返します。
2度目の塗装前には木の表面が絹のような手触りになるまで磨きます。
この2度目の研磨が最も手間がかかる工程です。
2度目の塗装。
ニスが乾いたら研磨せず、ここでもう一度塗装を施します。
リブフレームの今日の作業はここまで。
あとはしっかり乾燥させて、明日からまた研磨作業です。
上田洋樹