琵琶湖一周約235キロを、カヌー・カヤックで目指すツアー。
今月は近江八幡市の北東部にある、愛知川近くの公園から出発。
カヌーを湖面に浮かべると、大雨をもたらした台風4号の影響で、水は薄く濁り、
川から運ばれた流木がところどころに浮かんでいます。
コース途中の休暇村近江八幡の宮ヶ浜では、大量に打ち寄せられた木くずが
500メートルの浜を覆いつくし、処理に困って県と市に除去を要請したそうです。
この木屑が漂うなかで何かの条件を満したときに、同じサイズの小枝が集まるようです。
湖面に10センチくらいの小枝が垂直に浮かび、列をなして続いていく光景を見つけました。
誘導灯のように、カヌーの進行方向の先へと伸びています。
水面の反射で姿を消したその先は、どこへたどりつくのか。
伊崎半島の突端にある伊崎寺を参拝。
現在は陸続きとなっていますが、昔は湖に浮かぶ「伊崎島」という島でした。
舟で参拝する信者を迎えるため、山門は琵琶湖に面して建てられています。
竿飛び堂の下で集合写真。
湖上の風は私たちを脅かすことなく、爽やかに吹き抜けていく。
このまま風に任せて、沖島へ渡ってみる事にしました。
昼食は参加者全員でアウトドア料理を作ります。
わいわいと話も弾む、楽しい交流の時間です。
長命寺港近くの名勝、松ヶ崎付近の景色
新しい試みとして戦前の古はがきを使い、過去から現代へ続く姿を探ってみました。
戦後の数十年で湖岸の風景も、ずいぶん変わっているようです。
しかし、注意深く観察してみると、どこかに昔から変わらない面影が残っています。
景色が語りかけてくる声に耳をすませ、心をタイムスリップさせる仕掛け。
琵琶湖にたいして、新しい興味が広がるにきっかけになったようです。
来月のツアーにむけて、ファルトボートを丁寧に収納。
今回の報告も、参加者からいただいた感想を盛りこみながら作成しました。
ありがとうございます。
琵琶湖ツアー報告 湖西の新緑と歴史をカヌーで巡る 011.05.22
ほぼ毎月一回開催する琵琶湖ツアー。
興味のあるコースのみを単発で漕がれる方。
そしてカヌー・カヤックで、琵琶湖一周に挑戦されている方達が
参加されています。
今回のツーリングコースは、湖西の景勝地である近江舞子水泳場から出発。
新緑が一番綺麗なこの時期。
湖岸沿いに北上しながら、豊かな自然と歴史観光スポットを巡りました。
このエリアは「比良おろし」と呼ばれる、局地風が吹くことで有名な場所。
当日も山側からの強い横風を受けながらも、お互いの位置と安全確認をとりながら
漕ぎ進みます。
滋賀県でもっとも古い縁起があるとされる、白髭神社の水上鳥居にて。
湖中に建つ大鳥居を真下から見上げると迫力あります。
琵琶湖が誇る景勝地の中でも、心に残る場所の一つです。
約9キロ先の対岸には、ゆるやかなラインで横たわる沖島が遠望できました。
内湖の一つである、乙女が池へ寄り道。
視界が広がる開放的な湖から、細い水路を通り抜けて池に漕ぎ入ると、
沢山の水生植物達によって囲まれた空間は時間が止まったよう。
波風ともに穏やかで、また違った印象を感じられて新鮮でした。
近くにある大溝城跡で上陸。付近を歩いて散策。
今年のNHK大河ドラマ「江」の中でも紹介されている場所で、欠かさず放映を
ご覧になっている方にとっては、より魅力的な場所だったようです。
苔むした石垣が残る本丸跡に登り、古き時代に想いを馳せます。
全員で記念の集合写真。
ここでは高島市水上警察の方が駆けつけてくださり、水上航行のポスターを
いただきました。
自分達は気付きませんが、色々な方が温かく見守ってくれています。
今回も皆さん大満足のなか、ツアー終了となりました。
日本一大きな湖を舞台に小さなカヌーを浮かべると、ときにハッとするような
素晴らしい景色にであうことができます。
また来月。まだ見たことのない琵琶湖の魅力をご案内します。
琵琶湖の島をめぐる旅 多景島
彦根の湖岸から眺めると、まるで軍艦が停泊しているように見える多景島。
ずいぶんと遠くに浮かんでいるように見えますが、直線で測ると約7キロ。
カヌーで漕いでいくと、休憩をいれつつ一時間半程度の距離にあります。
この島の面白いところは、眺める角度によって島の雰囲気が様々に変化することです。
「多景島」とは上手く名付けたものです。
島の周りは断崖になっていますが、入島料を払えば島へ上陸できます。
休憩を兼ね、腰を伸ばしつつの散策には丁度良いコース。
少し賑やかですが案内のアナウンスを参考に、見塔寺や題目岩などの見どころを
散策する事ができます。
周りを見渡すと、沖島や竹生島。沖の白石。そして、琵琶湖を囲む山々の連なり。
遠くまで広がる360度の展望が楽しめます。
陽射しもやわらぐこの季節。
秋のツーリングにお勧めのコースです。