近鉄鉄橋をポーテージして、しばらく漕ぎ進むと京奈和道。
この橋脚へは北から80度ほど東(南から進むと2時の方向)に水が流れています。
画面左の橋脚は艇が張り付く可能性があります。
画面中央の橋脚全域は本流を受けて、相当に複雑な流れになっていますので
この橋脚も注意が必要です。
※この2つの橋脚は増水時には特にご注意ください。
橋脚や倒木(ストレーナー)、テトラポッド、岩、杭などは水は流れますが
人や艇は流れの向きに対して、横向きになると簡単にそれらの障害物に張り付きます。
最悪のケースは障害物の方向に沈して、流れを受けて障害物と艇の間に体がはさまれて
艇から脱出できないという状況です。
水は一見ゆるやかな流れでも、そういった状況になると救出は困難を極めます。
では、どうすればいいのか。
答えは2つです。
【1】まずは、川の危険を知ること。
人やカヤックが流れの中で留まってしまう可能性がある障害物を思いつくままに列挙すると、
橋脚(大小、鉄筋・コンクリート・木製の素材にかかわらず)、テトラポッド、倒木(水面の
上下50cm以内は最も危険)、岩、杭、竹、鉄柱、やな、本流にあるブッシュなどです。
【2】それらの30m上流の位置では、障害物と接触しないだけの間隔をとること。
その間隔をとることができない場合は、迷わずに着岸して
ライニングダウンやポーテージしてください。
また、川の蛇行などで先が見通せない場合は、その都度着岸して下見するなど慎重に。
今年もカヌーの死亡事故はいくつか報道されていました。
楽しいはずのカヌーやカヤックのツーリングが悲しいことになりませんように切に願います。
流れ橋まではのどかな流れが続きます。
木津川下流域を象徴する豊かな自然の中にカヤックがある風景。
流れ橋ツアー【完結編】につづく
韓国ツアー 「白龍鍾乳洞」探検 10月2日(土)
そろそろツーリングの様子を見たいという声が聞こえてきそうですが
韓国ツアーの報告は時系列でご紹介いたします。
10月2日(土)午前 曇天
この日はツーリング前に白龍鍾乳洞(シロリュウチョンユークル)へ。
当初、この鍾乳洞はツーリングを終えてからの見学の予定でしたが
現地で急遽午前に見学することに。
鍾乳洞見学は軽い散歩程度に考えていたのですが、それは甘い考えでした。
受付後に着替え。
真っ赤な綿のつなぎに長靴。頭部にはヘルメットとヘッドランプ。そしてグローブ。
この鍾乳洞の入り口までは東江右岸の断崖に設置された起伏の激しい歩道を
500mほど歩きます。
ガイドの説明のち、いざ鍾乳洞へ。内部に入ってしばらくすると犬穴(ケークモン)と
呼ばれる直径80cmほどの穴を匍匐前進で通り抜ける。
この時、異国の地で、ツーリングもまだなのに泥だらけになって地に這いつくばっている
ことを不思議に思ったのは私だけではなかったでしょう。
ここでのひとときは、のちにご紹介する東江ツーリングと冬のソナタのロケ地で有名な
春川(チュンチョン)の南怡島(ナミソム)ツーリング以上に強烈な印象として韓国での
いい思い出となりました。
行進の姿勢は匍匐前進だけではなく、スパイダーマンのように地に四肢を着けることもありました。
鍾乳洞内は折り返し地点以外に照明が一切なく、ガイドのライトと我々がヘルメットに装着している
ヘッドランプの灯りだけが頼りです。
行程半ば、「ピアノ」と呼ばれる鍾乳石を背景に。
地下600mの折り返し地点ではすべてのランプを消灯。
光が一切ない空間では、10cm先の自分の肩をも見ることができません。
本当の暗闇を体験したのはこれが初めてです。
長時間この空間に滞在すると「黒」の認識もなくなると思います。
30秒の瞑想後、ドーム状の洞窟内はマリア像のように見える鍾乳石など
いくつもの自然の造形をほのかに照らすようにライトアップ。
それはとても幻想的な一瞬でした。
「川口探検隊」のようなひとときを終えて、少しぐったりの1枚。
チリ炭鉱の人々が全員無事に救出されることを願いつつ、次回(ツーリング編)につづく。