4月14日土曜日、木津川カヌースクールを開催しました。
この日は5名様のご参加。
つい2日前まで満開だった染井吉野は散り始め、花びらが舞い落ちていました。
午前の練習風景。
天候は早朝の雨から午前は曇り。風はまだまだ冷たい一日でした。
午後からのツーリング直前、カヌー広場の桜と笠置大橋を背景に記念撮影。
コース中盤の瀬。本日の水位は−2.1m(加茂観測所)。
豊富な水量で快適なツーリングとなりました。
ツーリング途中の休憩時に見かけた骨らしき物体。
小動物の頭骸骨のようでした。
ツーリング終盤になって、ようやく青空が広がりました。
点在する桜を眺めて。
ゴール直前の1枚。
今日は2名の沈がありましたが、怪我もなく無事にゴール。
5名の皆さん、今日はご参加ありがとうございました。
いつかまたお会いできる日を楽しみにしています。
フジタカヌー 上田洋樹
アルミフレーム艇 アルピナシリーズのリブフレームが完成するまで
前回はグラスとウッドのハイブリッド艇のPEシリーズ(PE-400・480スペリオ)の
リブフレームの製作についてご紹介しましたが、続いてアルミフレーム艇の同じ
リブフレームが出来上がるまでをご紹介します。
アルミ艇のリブフレームは1本のアルミパイプをベンダーという機械で曲げて
端部をリベットで接合しています。
ガンネルやチャインパイプを受けるためのチャンネルという白い部品や
デッキパイプ、インナーストリンガーを受けるためのカップを取り付ける箇所には
それぞれドリルで穴が開けられています。
作業に入る前に錆びを防ぐために潤滑油をウエスに軽く吹きかけてリブフレームを拭きます。
クレ556より666のほうが効果的です。
クレ666はホームセンターやオートバックスで販売しています。
このオイルは防錆・防湿・潤滑効果があり、定期的にアルミフレームに塗布されると
組み立てや分解がしやすくなります。
海で使用された場合は真水でしっかりと海水を洗い流してから水分を拭き取り
フレーム全体(特に継ぎ芯やボタン)にご使用ください。
まずはチャンネルを仮止めします。
仮止めのネジがゆるい状態で、ネジのゆるみを防ぐ錆び防止剤を1滴流し込みます。
本締めした状態。
すべてのチャンネルのネジを締めてからは、
ハンドリベッターでインナーストリンガーを受けるためのカップを取り付けます。
ここではアルミ無垢材から削り出したカップとステンレス製中空リベットと
ステンレスワッシャーを使用します。中空リベットとは文字通り中が空洞になっています。
リベットでカップを取り付けた状態。
1枚のリブに3個のカップを取り付けると、
完成です。
オプションのロアストリンガー(アルピナ2-460は標準装備)を装着する場合は
ベルクロ(マジックテープ)をチャンネルとパイプの間に挟みこんで、下部にあと
2つのチャンネルを装着します。
2枚のリブフレームなら仕上げるまで5分ほどです。
前回のPEシリーズのリブフレームに比べると、あっという間に完成します。
PE-1-400・480スペリオ ファルトボートのリブフレームが完成するまで その【1】
ファルトボート(折りたたみ式カヌー・カヤック)のフレームは大きく分けて
前後方向の縦通フレーム(ステム、キール、ガンネル、チャイン、ストリンガー)と
リブフレームの2つから成り立っています。
リブフレームとはその名の通り人の体に例えると肋骨のようなもの。
最も少ないのはアルピナ1-310の3枚。
最も多いのはPE-1-430・480・500の7枚です。
ちなみにキールを人の体に例えると背骨となります。
キールは和訳すると竜骨。
前後先端のステム部を含めると、まさに竜のような形状となります。
現在、PE-1-400スペリオと480スペリオのリブフレームを製作していますので
今日からリブフレームが仕上がるまでの工程を皆さんにご紹介します。
厚さ15mmのマリン合板(完全耐水合板)をコンピュータ制御のNC自動切削機で
切り出してからはすべて手作業で仕上げます。
サンダーという研磨機で平面と側面(小口)を研磨してから焼印処理をします。それから
エッジ部の面取りをして、エアガンで細かいおが屑を吹き飛ばし、1回目のニス塗装。
湿度や気温によって初期の塗装は2回する時があります。
1度目の塗装が乾いてからは工作機械を使わずに手で仕上げていきます。
最初の紙やすりは120番。そこから番数を上げて(目を細かくして)研磨作業を繰り返します。
2度目の塗装前には木の表面が絹のような手触りになるまで磨きます。
この2度目の研磨が最も手間がかかる工程です。
2度目の塗装。
ニスが乾いたら研磨せず、ここでもう一度塗装を施します。
リブフレームの今日の作業はここまで。
あとはしっかり乾燥させて、明日からまた研磨作業です。
上田洋樹