吉野川ツアー報告2では、瀬をゆく様子を、お一人ずつご紹介します。
出艇直後はおだやかな流れが続きますが、写真のように川幅が狭くなって
流速が増す地点がいくつもありました。
コース前半で最も難易度が高かった瀬。この地点の流れはかなり複雑で
あらゆる方向からの波に対処しなくてはなりません。
以後、瀬を通過するまでを順に掲載します。
昼食休憩と堰堤でのポーテージを終えて、ツーリング後半にある落ち込み。
この日は水位がやや高めでしたので、落差は大きくなかったですが
落ち込み直後の波は高く、爽快な瞬間を楽しむことができました。
オーダーでデジタルカメラの水中ハウジングを固定するための自由雲台を艤装したA-1。
沈したらハウジングが割れないだろうかと、ツーリング前から心配でしたが大丈夫でした。
ツーリング終盤、パドルのシャフトが西日に反射しています。
瀬を楽しまれている雰囲気が表情から伝わってくる1枚です。
この地点から、5分ほどで全員無事に着艇。皆さん、ご無事で何よりでした。
吉野川ツアーの写真は本日(11月10日)発送を終えましたので
近日中にお手元に届くと思います。今度は寛ぎながら吉野川をお楽しみください。
特集につづく
2011年のツアー予定もご覧くださいませ!
本日の沈の確率60% 11月6日(土)吉野川ツアー報告1
空は澄み、風はなく、水は豊かな大和の吉野。
本日、無事に吉野川ツアーが終了。
今回はコースを半分上流側に繰り上げて、出艇を大和上市付近、着艇を芝崎としました。
鮎釣りが盛んな時期、上市からの下流6kmの区間は釣り人が川の中に立ち並ぶため
ツーリングは困難な状況ですが、11月になると釣り人の姿はなく
今日は水位がやや高めということもあって、当日に急遽コースを変更しました。
国道169号線から見る吉野川は、いたっておだやかな流れですが、実際に川を下ると
そんな印象からは想像できないほどの瀬がいくつか存在します。
タイトルでも記載しましたが、本日の沈の確率は60%。
「吉野川沈道中」の様子は後日ご紹介するとして、まずは集合写真を公開します。
出艇前、眩しいほどの日差しを受けて。上市にて。
この時点では、皆さんとっても元気でした。
出艇から約5時間後、ゴールにたどり着いて。
TEAM 「On water」とTEAM 「Water inside」に分かれて記念撮影。
どちらのグループが、いずれのチームに属するのかはご参加の方々の名誉のために伏せますが
写真のポーズからその所属をご判断くださいませ。
参加メンバーの皆さん、ご協力ありがとうございました。
ほぼイメージ通りのカットを撮影することができました。
ではでは、報告ページ1の最後は、吉野川ツアー488枚の写真の中からただ1枚
栄えある「フォトジェニック大賞」を発表いたします。
水のベールとしぶきをまとい波をゆく
シングル艇のように見えますが、このカヤックはタンデム艇のアルピナ2-430です。
いつも遠くからのご参加ありがとうございます。
つづく
振り向けばアライグマ アニマルレスキューの午後
現在、ファルトボートのご注文はPE-2-470ノアが5艇(その他、アルピナ-1-310など)。
2人艇の470ノア(500ノアも同様)はフジタカヌーの現行モデルで最も部品点数が多く
(シングル艇にはない木製コーミングや背もたれ棒、私たちが「ブーメラン」と呼ぶ
リアコーミング、フロアボードもシングル艇が2枚に対して、タンデム艇は3枚。)
今週はひたすら木製フレームの研磨と塗装の毎日でした。
本日の午後、塗装ブースで中央リブフレームの仕上げの塗装を施していると
背後に何かの気配と視線を感じた。
イタチ・・・?
よく見ればタヌキの子供でした(自分の中でタヌキと理解するまで十数秒)。
※その後アライグマと判明しました。
こんな顔です。
フジタブランドのカヤックを生産しているフジタカヌー笠置工場は自然豊かな緑に囲まれています。
毎日いるとそれが当たり前のように思ってしまいますが、里山にたたずむ工房といった趣がある
素敵なところです。
現在、工場のすぐ隣の田は田植え直後で、水の鏡の一面に苗の緑が規則正しく並んでいます。
つい最近までは雉(最後に写真あり)の親子が田植え前の田で餌をついばんでいました。
猿の群れ(50匹以上)の大移動や猪の親子(うり坊はとても愛らしい)もよく見かけます。
過去にはカワセミが迷い込んでしまったのか、工場1階の鉄筋の梁にずっとたたずんでいた
こともあります。今はツバメの雛が玄関にある巣ですくすくと育っています。
じきに巣立っていくことでしょう。
とかげ、ヤモリ、蛇など、まだまだ野生の生き物は数多く生息しています。
話をアライグマに戻します。
今は使っていない旧型のコンプレッサーと壁の間に挟まって
身動きが取れなくなってしまった子供たち。ここから救出劇の始まりです。
写真でご覧になられると、ただただ可愛い小動物に見えますが
そこは野生の動物、少しでも近づこうものなら牙をむいて威嚇してきます。
まずは手前の1匹の首根っこをつかんで救出。
小柄な体からは想像できないほどの大きな鳴き声に思わずビビッてしまいました・・・。
もう1匹は逃走。
塗装の途中でしたので、姿を見かけるまでしばらくレスキューは中断。
約1時間後、寂しそうな鳴き声で隠れている場所が分かりました。
ここから、虫取り用の網をたずさえて、捕まえるまでに20分。
網はすぐに破れて、結局は素手での捕獲。
工房の隅の捕まえにくい場所に逃げ込み、不自然な体勢で格闘したので
首の筋を寝違えたように痛め、すり傷をつくり、衣類は汚れ、鋭い爪でひっかかれ
さらにはおしっこまでかけられ、さんざんな午後でした・・・。
でも、無事に救出することができ、やり遂げた充実感で今日という日を終えることができました。
今後、スクールやツアーで、カヤックやテントの中に「アライグマがいて怖くて近づけない」
という場合はスタッフにすべてをおまかせください。
かなりビビッっているかも知れませんが、なんとかします。
京都府の南端に位置する、こんな野生動物の宝庫のフジタカヌー笠置工場は
カヌースクールを終えて、わかさぎ温泉にご入浴されたのち、お時間がございましたら
いつでもご見学いただけます。
日本のカヌーの歴史とファルトボートの製作現場と自然。
カヌースクールと合わせて、いつでもお越しくださいませ。
以上、かなり強引にアライグマとカヌースクールを結びつけてみました。
【アライグマ】
哺乳綱食肉目アライグマ科アライグマ属に分類される夜行性の哺乳類。
体長約55cm、体重約5-8kg、灰褐色の体毛をもち、目の周りから頬にかけて黒い斑紋がある。
狸とよく似ているが、アライグマには眉間の縞、白い耳の縁、白いひげがあり
長くふさふさとした黒い横縞がある尾や5本の長い指でその違いを見分けることができる。
水辺近くの森林に生息。前足を器用に使うことができ、木登りや泳ぎが得意。
春には4-6頭の子供を生む。野生下では滅多に人を襲うことはないが
アライグマは狂犬病に感染している可能性があり、注意を要する動物。
子供のアライグマの首根っこをつかむと、足をばたつかせてすさまじい声で鳴き続ける。
【タヌキ】
日本には北海道のエゾタヌキと本州・四国・九州のホンドタヌキの2亜種が棲息。
エゾタヌキはホンドタヌキよりやや被毛が長く、四肢もやや長め。
【ホンドタヌキ】
ネコ目イヌ科タヌキ属に属するタヌキの日本産亜種。
顔の目の周りの黒い模様から「八文字」と呼称される。
春から夏にかけては子育ての時期。
3月中旬に巣穴の中で通常は3 – 5匹出産。
5月初頭になると幼獣は親タヌキ夫婦と一緒に巣穴の外に出て行動するようになり
食べ物も自分で見つけられるようになる。
夏は親子で行動する。
秋は子どもが親離れをする時期。
上田洋樹
フレームビルダーUのフジタカヌー製ファルトボートのパーツ紹介(ストリンガーカップ)
ある時はツアーガイド、またある時はカヌースクールのインストラクター
そしてまたある時はファルトボートのフレームビルダーの上田です。
お礼が遅くなりましたが、皆さん毎回コメントありがとうございます。
返事をしないままですが、どのコメントもいつもうれしく拝読しています。
今回はファルトボートの部品について。
先日の横浜ボートショーではフジタカヌーのブースの来てくださった方々から
よくこんなご質問がありました。
「フジタカヌーの折りたたみカヌーは他社製品とどこが違うのか?」
製品の概要はカタログやホームページでご紹介していますので
ここでは、あまり知られていないフジタカヌー独自のこだわりをお伝えします。
ファルトボートに使用しているインナーストリンガー用のカップ。
一見するとごく平凡な部品に見えますが、実はこれはアルミ丸棒の無垢材から
削りだしているのです。俗に「削りだし」と言われる製法です。
簡易的な部品と違い、とても高価なんですよ。
アルミフレームのアルピナシリーズではシングル、タンデムどちらにも計6個
グラスフレームのPEシリーズ・シングル艇では計4使われています。
アルピナ2-430のフレーム。
着座して足を開いた際に太ももの上を通るパイプが「インナーストリンガー」です。
カップはこのストリンガーを受けるための部品です。
私はフレームの修理も行なうのですが、今までこの部品の破損を見たことがありません。
それだけ丈夫なんです。ちなみにストリンガーの真鍮製ボタン用のバネはステンレスです。
あまり目にする機会がないパーツにも耐久性への配慮を怠りません。
これからも折にふれて設計や部品など、フジタカヌーの考えをご紹介しますね。
朝、カヌーラック前で土筆を発見。
気付かないうちに大きく育っていました。もうすっかり春です。