海は梅雨明け直後、「梅雨明け十日」と呼ばれる凪の状態となります。
フジタカヌーではシーカヤッキングに絶好なこの時期に山陰海岸ツアーを毎年開催しています。
2012年7月28日(土)の洞窟めぐりツーリングは小学4年生の男の子から
私の父と同世代くらいの方まで、男性15名、女性5名、総勢20名の方がご参加くださいました。
まずは、ツアー初日の様子を18枚の写真でご紹介します。
動画はこちらからどうぞ。
出艇はJR浜坂駅にほどなく近い田井の浜から。
浜を出て、30分ほど漕ぐと「T路の洞窟」があります。
この洞窟は文字通り平面状でT字になっていて、細い入り口から進入すると突き当たり
そこから洞窟が左右に分かれています。
写真のシャッタースピードは90分の1秒くらい。
青いブレードの軌跡がきれいな1枚となりました。
洞窟内の水の色は独特。
イタリアの青の洞窟まで行かなくても、日本にはこんな素敵な場所があります。
T字の洞窟の入り口。
突き当たり付近では天から、夏の強い日差しが差し込んでいます。
この写真の左側では、波が高くなると岩に強く水が当たり
「ドーン」という重低音が洞窟内に響きます。
天からの光で明るく光る黄色のカヤック。
山陰海岸に数ある洞窟の中でも、この洞窟はきっと印象に残る空間だったと思います。
そして山陰海岸ツアー初日のメインの洞窟、「天国と地獄」。
この洞窟も入り口は広いのですが、奥に行くに連れて幅が狭くなり
突き当たりで航路が直角となります。
それから幅はパドリングができなほど更に狭くなって、光がない暗闇となります。
事前に準備していただくようにお伝えしていたヘッドランプはこの洞窟で使用していただきました。
暗闇の地獄を抜けると、光で生じる岩の陰影の出口があります。
この洞窟は通り抜けることができるのです。
天国を洞窟の外側から撮影。
ここから大島を過ぎて、磯で40分ほど休憩しました。
磯で上陸してからは、しばらく自由な時間です。
多くの方々がゴーグルを装着して遊泳の時間を過ごされていました。岩場ではカニ
水中には紫ウニ、イソギンチャク、サザエ、アワビ、トコブシと多くの生物を観察できました。
参加メンバーの仲井さんからの差し入れのスイカ。
大玉のスイカは、かなり重たかったと思います。
お心遣いに感謝します。氷もありがとうございました。
航程中間での休憩を終えると、ゴールの新余部橋を目指します。
以前は趣のある鉄骨の橋脚が狭い間隔で立ち並んでいたのですが
コンクリートの鉄道橋となってからは、海上からは3つの橋脚が見えるようになりました。
風情がなくなった反面、地元の方に感想を聞いてみれば
「音が静かになって、何より列車が落ちる心配がなくなって安心できる。」とのことでした。
餘部着艇後は川戸屋さんの2つのお風呂で男女別れて入浴。そして19:15から夕食。
今回のツアー参加費を、昨年の料金より高めに設定したのは、
このお刺身の舟盛りをお願いしたからです。
他にはサザエのつぼ焼きや
焼きガニなど、食べきれないほどの量でした。
食事のあとは、今回参加の子供たちのために、スタッフ前田提案の花火タイムを
川戸屋さんの向かいにある小さな公園で設けました。
手持ち花火や、
吹き上がり、はじけるように光る花火。
やさしくそよぐ海風の中、夏の風物詩がツアー初日の最後を美しく飾ってくれました。
新余部橋を通過する列車。
この夜は全員早めに就寝して、翌日のツーリングに備えたのでした。
29日編につづく
上田洋樹
ツアー動画は2本あります。You tubeでご覧ください。
残暑お見舞い申し上げます。2011年山陰ツアー水中写真集
猛暑の日々が続いていますが、皆さまお変わりございませんか?
立秋が過ぎても、高い気温の毎日ですが、今回はそんな暑さをやわらげる
山陰海岸の水中と生物の写真をご紹介します。
ツアー2日目の休憩時に撮影した1枚。
照りつける日差しで水中は青く明るく、無数の小魚がキラキラと光っていました。
同じ場所で海底を撮影。鎧の水は透明度が高いです。
毎年見かける青く光る海草は紅藻類「ワツナギソウ」の仲間ということが判明しました。
大きさは3〜10cmくらいと小さいですが、水中では青と青紫の蛍光色に光り
水の動きに合わせてゆらゆらと揺れる姿がとてもきれいです。
水中から取り出すと淡いモスグリーンの淡色になるのが不思議です。
藻体はその名の通り、浮き輪をつなげたような構造となっていて
それぞれの節には隔壁があります。
2009年に撮影したワツナギソウ。
先端がエメラルドグリーンの藻体もあります。
岩場では多くのカニが生息していました。
この蟹で体長10cmほど。赤と緑の甲殻が鮮やかです。
赤と朱のイソギンチャクもいました。
今年の山陰ツアーの報告は以上で完結です。
来年の洞窟めぐりツアーもよろしくお願いいたします。
2011年のツアー予定はこちらからどうぞ!
フジタカヌー 上田洋樹