4月3日は今年2回目の木津川カヌースクール。
前日の青蓮寺湖ツアーではA-1、この日はアルピナ2の進水式を行ないました。
午前9時過ぎ、木津川のほとりで新たなオーナーの到着を待つファルトボート。
ザックは高さ100・幅37・奥行き34cmとゴルフバッグにも満たない大きさですが
この中には、多くの夢とわくわくするような期待がつまっています。
9時30分、この日木津川で進水を迎えられた永合さんがカヌー広場にご到着。
組立て前に記念の1枚を撮影しました。
あっという間に、
完成!
初春の川岸に鮮やかなイエローが映えていました。
この日のスクールは総勢5名。全員で新たな門出をお祝いしました。
ご参加の皆さん、ご協力ありがとうございました。
水位はやや低めでしたが、ボトムをするほどの渇水状態ではなく
午後からは、ほとんど風がない水上をゴールまでのんびりとツーリングしました。
ゴールの銭司(ぜず)にて。
進水おめでとうございます!
これから笠置でのスクールや各地のツアーでまたご一緒できる日を楽しみにしていますね。
これからもよろしくお願いいたします。
4月3日の笠置カヌー広場の桜。
蕾が開き、華やかな満開の時を迎える桜のように
これからのカヤックがある休日が素晴らしい日々になりますように。
フジタカヌー 上田洋樹
三重県青蓮寺湖 ソメイヨシノの蕾と春の風 4月2日(土)
桜の季節となりました。
今年のお花見ツアーはこの青蓮寺湖から始まります。
(お花見ツアーの概要はこちらをご覧ください。)
2011年初のお花見ツーリングは・・・、まったく花がなく、まだまだ蕾の状態でしたが
春の穏やか、かつ暖かい気候に恵まれて心地よいツーリングを行うことができました。
出艇からは南湖を一漕ぎ。
湖西側にある見事な柱状節理を背景に全員で記念撮影。
今回はファルトボート7艇、リジッド2艇でのツーリングでした。
南湖から出艇地点を過ぎ、青蓮寺橋(画面右上)をくぐり、湖岸にある公園で昼食休憩としました。
ソメイヨシノの蕾は春の暖かな日差しに照らされ、湖岸道路を走る車もない水辺はただただ静寂。
ときおり聞こえる鶯の鳴き声や、初春のそよ風に心休まる一時を過ごすことができました。
今期発売予定のアルミパイプとグラスパイプの複合フレームのアルピナ1−450。
この日、私は新型艇の試乗とテストを兼ねてツーリングしていたのですが
ツーリング途中に参加メンバーの市場さんにも乗っていただきました。
AL-1-450はその名の通り全長4.5mの1人艇。現在の重量は15.5kg。
写真のように鋭角なキール先端が最大の特徴で、その他、2重管のキールや
アルピナ1より前後が長く、ゆとりがあるコックピット、フロントハッチ
スライドペダル式のフットブレイス、フットマット(かかと用クッション)が装備されています。
グラスパイプは前後のデッキ(艇上面の反り返っている部分)とインナーストリンガー
(太もも上部にあたるパイプ)に使用。
デッキの積載用のゴムロープのタブは前後とも8ヶ所あります。
身長176cm、体重61kgの私には、まるでオーダーメイドしたかのように体にフィットします。
特に着座した際に左右のエアチューブが太もも外側に長く密着する感覚は
とても心地良く感じました。
詳細なレポートはまた別の機会にお届けできればと思います。
着艇は15時30分。今回も無事にツーリングを終えることができました。
航行距離は約13km。後半は向かい風の中のツーリングで少しお疲れになったことと
思いますが、青蓮寺湖をくまなく周遊した達成感のあるツアーだったように感じます。
4月のお花見ツアー、そして今後のツアーもどうぞよろしくお願いいたします。
フジタカヌー 上田洋樹
振り向けばアライグマ アニマルレスキューの午後
現在、ファルトボートのご注文はPE-2-470ノアが5艇(その他、アルピナ-1-310など)。
2人艇の470ノア(500ノアも同様)はフジタカヌーの現行モデルで最も部品点数が多く
(シングル艇にはない木製コーミングや背もたれ棒、私たちが「ブーメラン」と呼ぶ
リアコーミング、フロアボードもシングル艇が2枚に対して、タンデム艇は3枚。)
今週はひたすら木製フレームの研磨と塗装の毎日でした。
本日の午後、塗装ブースで中央リブフレームの仕上げの塗装を施していると
背後に何かの気配と視線を感じた。
イタチ・・・?
よく見ればタヌキの子供でした(自分の中でタヌキと理解するまで十数秒)。
※その後アライグマと判明しました。
こんな顔です。
フジタブランドのカヤックを生産しているフジタカヌー笠置工場は自然豊かな緑に囲まれています。
毎日いるとそれが当たり前のように思ってしまいますが、里山にたたずむ工房といった趣がある
素敵なところです。
現在、工場のすぐ隣の田は田植え直後で、水の鏡の一面に苗の緑が規則正しく並んでいます。
つい最近までは雉(最後に写真あり)の親子が田植え前の田で餌をついばんでいました。
猿の群れ(50匹以上)の大移動や猪の親子(うり坊はとても愛らしい)もよく見かけます。
過去にはカワセミが迷い込んでしまったのか、工場1階の鉄筋の梁にずっとたたずんでいた
こともあります。今はツバメの雛が玄関にある巣ですくすくと育っています。
じきに巣立っていくことでしょう。
とかげ、ヤモリ、蛇など、まだまだ野生の生き物は数多く生息しています。
話をアライグマに戻します。
今は使っていない旧型のコンプレッサーと壁の間に挟まって
身動きが取れなくなってしまった子供たち。ここから救出劇の始まりです。
写真でご覧になられると、ただただ可愛い小動物に見えますが
そこは野生の動物、少しでも近づこうものなら牙をむいて威嚇してきます。
まずは手前の1匹の首根っこをつかんで救出。
小柄な体からは想像できないほどの大きな鳴き声に思わずビビッてしまいました・・・。
もう1匹は逃走。
塗装の途中でしたので、姿を見かけるまでしばらくレスキューは中断。
約1時間後、寂しそうな鳴き声で隠れている場所が分かりました。
ここから、虫取り用の網をたずさえて、捕まえるまでに20分。
網はすぐに破れて、結局は素手での捕獲。
工房の隅の捕まえにくい場所に逃げ込み、不自然な体勢で格闘したので
首の筋を寝違えたように痛め、すり傷をつくり、衣類は汚れ、鋭い爪でひっかかれ
さらにはおしっこまでかけられ、さんざんな午後でした・・・。
でも、無事に救出することができ、やり遂げた充実感で今日という日を終えることができました。
今後、スクールやツアーで、カヤックやテントの中に「アライグマがいて怖くて近づけない」
という場合はスタッフにすべてをおまかせください。
かなりビビッっているかも知れませんが、なんとかします。
京都府の南端に位置する、こんな野生動物の宝庫のフジタカヌー笠置工場は
カヌースクールを終えて、わかさぎ温泉にご入浴されたのち、お時間がございましたら
いつでもご見学いただけます。
日本のカヌーの歴史とファルトボートの製作現場と自然。
カヌースクールと合わせて、いつでもお越しくださいませ。
以上、かなり強引にアライグマとカヌースクールを結びつけてみました。
【アライグマ】
哺乳綱食肉目アライグマ科アライグマ属に分類される夜行性の哺乳類。
体長約55cm、体重約5-8kg、灰褐色の体毛をもち、目の周りから頬にかけて黒い斑紋がある。
狸とよく似ているが、アライグマには眉間の縞、白い耳の縁、白いひげがあり
長くふさふさとした黒い横縞がある尾や5本の長い指でその違いを見分けることができる。
水辺近くの森林に生息。前足を器用に使うことができ、木登りや泳ぎが得意。
春には4-6頭の子供を生む。野生下では滅多に人を襲うことはないが
アライグマは狂犬病に感染している可能性があり、注意を要する動物。
子供のアライグマの首根っこをつかむと、足をばたつかせてすさまじい声で鳴き続ける。
【タヌキ】
日本には北海道のエゾタヌキと本州・四国・九州のホンドタヌキの2亜種が棲息。
エゾタヌキはホンドタヌキよりやや被毛が長く、四肢もやや長め。
【ホンドタヌキ】
ネコ目イヌ科タヌキ属に属するタヌキの日本産亜種。
顔の目の周りの黒い模様から「八文字」と呼称される。
春から夏にかけては子育ての時期。
3月中旬に巣穴の中で通常は3 – 5匹出産。
5月初頭になると幼獣は親タヌキ夫婦と一緒に巣穴の外に出て行動するようになり
食べ物も自分で見つけられるようになる。
夏は親子で行動する。
秋は子どもが親離れをする時期。
上田洋樹