一夜明けて。
気田川キャンプツアーの2日目の様子をご紹介します。
午前5時半の空。
空を覆いつくした灰色の雲の下からの朝日。
つかの間の光景でしたが、美しい朝焼けでした。
8時45分出艇。
秋葉橋をくぐってから、川は大きな半円を描くように流れています。
その大きなカーブには中洲があり、昨年のツアーでは中洲外側の流れを
下ったのですが、今年は中州内側の流れを下りました。
土曜日のコースも同様に、少しずつ川の様相が変化していることを実感しました。
半円のカーブの最後にある瀬。この頃は曇天でした。
日曜日のコースも川は滔々と流れています。
ツーリング中盤以降は青空が広がり、気田川流域の緑がより鮮やかに目に映りました。
気田川の流れは直線の区間が少なく、絶えず蛇行しています。
本流が岩に向かって流れている地点では、皆さん懸命にパドリングされていました。
岩や障害物がない区間では、舟を流れに預けてゆったりと。
ゴールするまで多数ある瀬の波は大きくはないですが、流れが速く、時に本流に
岩があるため、艇が横向きにならないようにコントロールしながら漕ぐことが大切です。
昼食休憩は11時。
気田川の流れを眺めながら50分ほどゆっくりと休憩しました。
再出発前に全員で記念撮影。
1カット目は河岸に無数に咲いていた虫取撫子の花々を前景に。
2カット目は川の中央で。
水深の違いで川はくっきりと2色に分かれていました。
ここで河村シェフにご注目!
こんな感じです。
ムシトリナデシコの花言葉は「無邪気」。
キャンプツアーではいつもお茶目な河村シェフがあなたさまのご参加を歓迎いたします。
気田川ツアーでは沈脱後の「最長流され記録」が更新されました。
その距離推定70m。今後この記録はたやすく破られないでしょう。
この日は2回の沈がありましたが、13時10分全員が無事に着艇。
広い河原で撤収して、14時半に解散となりました。
「気田川キャンプツアー特集」につづく
気田川(静岡県)キャンプツアー報告 【5月29日土曜日】
5月最後の週末に天竜川の支流の気田川(けたがわ)に行ってきました。
ツアー当日は曇ったり晴れたりの天候でしたが、2日間とも雨に降られることはありませんでした。
水量は多くも少なくもなく、とても下りやすい状態。
今回のご参加は10名。
準備が整い、出艇前に記念の1枚。
13時出艇。
天竜川に合流するまで、水はとどまることなく流れています。
瀞場はほとんどありません。
5月の気田川といえば新緑。
鮮やかな緑が美しい季節です。
アルピナ2-430 デッキはオーダーカラーのハンターグリーンです。
アルピナ2-460
気田川は少し(かなり?)怖かったかも知れませんが
また川のツアーにご参加くださいね。
着艇は14時45分でした。
今年も咲いていました虫取撫子(むしとりなでしこ)。別名は小町草。
花弁が1cmほどの小さな花です。
いつものようにキャンプサイトは貸切状態。
区画を気にすることなく利用することができました。
秋葉オートキャンプ場の管理人さん、今年もありがとうございました。
お風呂(春野福祉センター内の「すみれの湯」)のあとは
春野町の夕暮れを眺めながらの晩ご飯。
今宵のメニューは、
鮪とサーモンのカルパッチョ
アボカドでかいわれで緑を添えています。
葱のマーガリン焼き
鶏肉のロースト 胡麻風味
ダッジオーブンで焼き上げた一品です。
その他は豚肉、ニラ、もやし、きのこ、豆腐、のお鍋と白米。
日が暮れるころには夕食が終わり、それからはゆったりとした時間を過ごしました。
日曜日編に続く
グリーンパル南山城(京都府立少年自然の家)木津川カヌー下り
5月29〜30日グリーンパル南山城(京都府立少年自然の家)木津川カヌー下りがありました。
折りたたみカヌーカヤックのフジタカヌーで木津川ツーリングのサポートをさせていただきました。
子供たちは、京都府内の小学生 いろんなところから来ていました
1日目 29日は、基本スクール 自然の家の下の木津川で基本的な操船の練習をしました。
2日目 30日は、ツーリングの本番 電車で笠置まで来て、笠置から木津までの14Kmを下りました。
2日間を通して子供たちは、木津川の自然に溶け込んでいました。
アルミフレーム艇 アルピナシリーズのリブフレームが完成するまで
前回はグラスとウッドのハイブリッド艇のPEシリーズ(PE-400・480スペリオ)の
リブフレームの製作についてご紹介しましたが、続いてアルミフレーム艇の同じ
リブフレームが出来上がるまでをご紹介します。
アルミ艇のリブフレームは1本のアルミパイプをベンダーという機械で曲げて
端部をリベットで接合しています。
ガンネルやチャインパイプを受けるためのチャンネルという白い部品や
デッキパイプ、インナーストリンガーを受けるためのカップを取り付ける箇所には
それぞれドリルで穴が開けられています。
作業に入る前に錆びを防ぐために潤滑油をウエスに軽く吹きかけてリブフレームを拭きます。
クレ556より666のほうが効果的です。
クレ666はホームセンターやオートバックスで販売しています。
このオイルは防錆・防湿・潤滑効果があり、定期的にアルミフレームに塗布されると
組み立てや分解がしやすくなります。
海で使用された場合は真水でしっかりと海水を洗い流してから水分を拭き取り
フレーム全体(特に継ぎ芯やボタン)にご使用ください。
まずはチャンネルを仮止めします。
仮止めのネジがゆるい状態で、ネジのゆるみを防ぐ錆び防止剤を1滴流し込みます。
本締めした状態。
すべてのチャンネルのネジを締めてからは、
ハンドリベッターでインナーストリンガーを受けるためのカップを取り付けます。
ここではアルミ無垢材から削り出したカップとステンレス製中空リベットと
ステンレスワッシャーを使用します。中空リベットとは文字通り中が空洞になっています。
リベットでカップを取り付けた状態。
1枚のリブに3個のカップを取り付けると、
完成です。
オプションのロアストリンガー(アルピナ2-460は標準装備)を装着する場合は
ベルクロ(マジックテープ)をチャンネルとパイプの間に挟みこんで、下部にあと
2つのチャンネルを装着します。
2枚のリブフレームなら仕上げるまで5分ほどです。
前回のPEシリーズのリブフレームに比べると、あっという間に完成します。
PE-1-400・480スペリオ ファルトボートのリブフレームが完成するまで 【最終回】
最後はリブフレームとデッキ・キールパイプを割りピンで接続します。
リブフレーム中央の上下にあるピンをパイプに挿入して
割りピンが180度開くようにハンマーでピンを外側に打ち込みます。
デッキとキールを接続して製造の工程が完了。
組み立てはこの状態で他の部品と接続します。
次回はアルミフレーム艇のアルピナシリーズのリブフレームについてご紹介します。
上田洋樹
PE-1-400・480スペリオ ファルトボートのリブフレームが完成するまで その【3】
3度目の塗装から一晩乾燥させると、
このように蛍光灯の光を反射するほどの仕上がりとなります。
この時点で光の反射がぼんやりとしている場合は1000番の紙やすりで
軽く研磨して4度目の塗装を施します。
塗装が完了したら、次は金具を取り付けます。
リベットを打ち込む専用のリベッター(リベットマシン)という機械で
マリン合板のリブフレームに金物や金具を取り付けます。
リブフレーム中央上部は「フレーム回転金物」を取り付けます。
最終的にはこの金物から出ているステンレス製のピンにグラスファイバー製の
デッキパイプを割りピンで接続します。
※実際には焼印がない面でリベットを打ち込みます。
ガンネルパイプと接続するためのガンネル金具も取り付けます。
ガンネル金具は開きの角度が80・90・100度と3種類あり、リブフレームによって打ち分けます。
写真は中央前側のリブフレームですので、90度のガンネル金具を使用しています。
ガンネル金具は金具側からリベットを打ち込みます。
片側からの打ち込みでは、
このように裏面のリベットが合板の表面より飛び出た状態(左)ですので
合板と同じか、コンマ数ミリ合板の表面より沈むようにリベットを打ち込みます(右)。
リベッターは圧縮空気で作動しますが、スイッチの操作は足元にあるペダルで行います。
金具や金物がない面でペダルを必要以上に踏み続けると、リベットがどこまでも沈んでいくので
この写真のような時は慎重にペダルを踏み込んでいきます。
リベッターを使用する工程は熟練とまではいきませんが、かなりの慣れが必要です。
この工程で金具とは関係のないところでペダルを踏んでしまうと、その一瞬でB級の部品となり
新艇としては出荷できません。これまでの作業も水の泡となります。
金物いろいろ
リベットはアルミ製。
長さは14mmから2mm刻みで8種類あります。
リベッターでの工程のあとはインナーストリンガー(着座した時に太もも上側にあるパイプ)を
受けるためのカップを取り付けます。
1箇所でカップ・ボルト・ナットは各1個、ステンレス製ワッシャーは2枚使用します。
ナットは「セルフロックナット」というゆるみがでない特別な仕様。
ここからねじ山が3〜4周ほど出るまでナットを締めていきます。
これでリブフレームがようやく完成。
最後にデッキ・キールパイプを接続します。
次回が最終回です。
上田洋樹
PE-1-400・480スペリオ ファルトボートのリブフレームが完成するまで その【2】
2度目のニス塗装が乾いたら、再び研磨作業です。
2度目(塗装の回数は3回)の塗装を終えた状態。
ほんの少し艶がでてきました。
焼印部は木材の表面よりわずかに低くなりますので、1度目の研磨の時に
周囲の焦げをしっかりと落とすことが大切です。
この状態から2度目の研磨の最後に使用した番数の紙やすりで磨き
さらに番数をあげて磨き上げていきます。
3度目の研磨を終えると、塗装前に真鍮製のハトメを打ちます。
円筒形のハトメをハトメ打ちとハンマーを使用して
リブフレームに両端が均等にめくれるように打ち込みます
点が3つあると人の顔に見えるといいますが、この部分も顔のようです。
やや驚いた表情です。
3度目の研磨とハトメ打ちが終了した状態。
1、2度目と同じようにエアーガンで細かいおが屑を吹き飛ばしてから3度目の塗装を施します。
3度目の塗装からは、より艶がでるように仕上げていきます。
塗装は回数ごとにニスのマリン合板への付着状態が異なります。
1度目(塗装1または2回)・・・木材への浸透。
2度目(2回)・・・浸透から飽和状態へ。ここで塗装膜の下地を作ります。
3度目(2回)・・・皮膜形成。ニスの透明感がある層を重ねて艶がでるように仕上げます。
3度目を終えてまだ蛍光灯の光を反射しないような仕上がりの場合は4度目の塗装を施します。
次回は塗装が仕上がった状態と塗装後の工程をご紹介します。
上田洋樹
PE-1-400・480スペリオ ファルトボートのリブフレームが完成するまで その【1】
ファルトボート(折りたたみ式カヌー・カヤック)のフレームは大きく分けて
前後方向の縦通フレーム(ステム、キール、ガンネル、チャイン、ストリンガー)と
リブフレームの2つから成り立っています。
リブフレームとはその名の通り人の体に例えると肋骨のようなもの。
最も少ないのはアルピナ1-310の3枚。
最も多いのはPE-1-430・480・500の7枚です。
ちなみにキールを人の体に例えると背骨となります。
キールは和訳すると竜骨。
前後先端のステム部を含めると、まさに竜のような形状となります。
現在、PE-1-400スペリオと480スペリオのリブフレームを製作していますので
今日からリブフレームが仕上がるまでの工程を皆さんにご紹介します。
厚さ15mmのマリン合板(完全耐水合板)をコンピュータ制御のNC自動切削機で
切り出してからはすべて手作業で仕上げます。
サンダーという研磨機で平面と側面(小口)を研磨してから焼印処理をします。それから
エッジ部の面取りをして、エアガンで細かいおが屑を吹き飛ばし、1回目のニス塗装。
湿度や気温によって初期の塗装は2回する時があります。
1度目の塗装が乾いてからは工作機械を使わずに手で仕上げていきます。
最初の紙やすりは120番。そこから番数を上げて(目を細かくして)研磨作業を繰り返します。
2度目の塗装前には木の表面が絹のような手触りになるまで磨きます。
この2度目の研磨が最も手間がかかる工程です。
2度目の塗装。
ニスが乾いたら研磨せず、ここでもう一度塗装を施します。
リブフレームの今日の作業はここまで。
あとはしっかり乾燥させて、明日からまた研磨作業です。
上田洋樹
ガイドUの板取川(岐阜県)ソロツーリング報告
大変永らくお待たせいたしました。
6月5日(土)に予定している板取川ツアーの下見ツーリングに行ってきました。
板取川ツアーのご案内はこちらから
板取川の水中の様子。
少し濁りのある地点でこれだけの透明度があります。
まずは下見ツーリングの印象をお伝えいたします。
航程は約9km。
のんびりと下れる区間や美しい淵はたくさんありますが
瀬も多く、それらは本流に岩が多数点在して、難易度は高いです。
無事に通過できれば(できるようにご案内します)、爽快かつ楽しいツーリングができます。
危険な地点はいくつもありますが、そこは徹底的にライニングダウンします。
ライフジャケットにカウテールを着けていない方は3mのロープとカラビナをご用意ください。
流れのある所での降艇やライニングダウンについてご説明します。
小さな滝がいくつもあります。
ツアー当日まで残っているか分かりませんが、この日は藤の花の青紫が新緑に映えていました。
水の透明度はかなり高いです。鮎や小さな魚が気持ちよさそうに泳いでいます。
飛び込むのに最適な岩も見つけました。
それでは、写真で下見ツーリングの様子をご報告します。
出艇予定地
おだやかそうに見えますが、スタート直後に瀬があります。
波は大きくないですが、岩の間をうまくコース取りしないといけません。
巨大なクリスマスツリーのような藤。川岸に咲いています。
桜のように「花筏」とまではなりませんが、藤の「花カヤック」がたくさん浮かんでいました。
複雑に入り組んだ木の根。
ゴールするまでの左岸側にこういった光景を幾度も目にすることができます。
瀬は終始こんな感じです。この瀬の最後には、
本流の真ん中にテトラポッドが埋まっています。
この地点は右岸をライニングダウンします。
瀬があればこんな風にゆったりできる区間もあります。
緑の軒先が長く続く区間もありますよ。
3mほどの岩の上から撮影した中間地点付近の風景。
この岩が飛び込みポイントです。ツアー当日はここで休憩しましょう。
昼食は川の水を沸かして。
岩の上での食事のあと、15分ほどゆっくりしました。
岩に群生していた小さな花々。この1箇所だけに咲いていました。
こんな瀬もあります。ゴールまで気を抜けません・・・。
※ここは左岸をライニングダウンします。
出艇から約4時間で無事にゴール。
ツアー当日の着艇は16時以降になると思います。
6月5日(土)板取川ツアーは現時点で開催まであと3名です!
定員は12名で締め切りますので、ご予約はお早めにどうぞ!!
板取川ツアーのご案内はこちらから
板取川の下見【陸上編】もご覧くださいませ。
※コース等についてのお問い合わせは
お電話にてフジタカヌー上田までお願いいたします。
0743-95-2507(平日9〜17時)
木津川カヌースクール報告 5月16日(日)
風薫る5月16日、さわやかな気候と眩いばかりの新緑に包まれた木津川で
カヌー教室を開校しました。
この日のご参加は4名さま。
午後からは4名の会員さんが飛び入りでご参加されました。
陸上講習(装備・カヤックの説明、パドルの基本操作、カヤックの持ち方・運び方
乗り降り、転覆した場合の対処法など)のあとは水上での練習です。
午前の練習風景
午後からのツーリングに備えて1列になる練習です。
川の水位は刻々と変わります。
水位の変化は岩を見ればよく分かります。
午前の練習は12時まで。
1時までは昼食休憩です。
青空の下でテーブルを囲み、お弁当を召し上がっていただきます。
午後のツーリングから親子でご参加の会員さま。
艇は「かるがも2」という今や懐かしい2人艇です。
午後のツーリング風景。
航程1/3ほどの地点、本流とは別に流れる水路での1枚です。
この日もご参加ありがとうございました。
差し入れもいつもありがとうございます。
数少ない瀬での1枚。
この日、4名さまのグループは全員が沈。
チャレンジ精神ゆえの結果だと思います。
きっと思い出に残る一日となったことでしょう。
スクールでは時として沈することもありますが、それもまたご愛嬌。
これからカヌースクールへのご参加を検討されている方は
気温は高くても水温はまだまだ低いため、転覆してもお体が冷えないように
化繊のインナー(Tシャツ、短パンなど)とアウター(レインウェアなど)をご用意ください。
ツーリング後半、8人全員で記念撮影。
ツーリング終盤の1枚。
銭司のキャンプ場下流は中州があり流れが2つに分かれていて
以前は左岸の流れを下っていたのですが、最近は川の様相が変わり
右岸の流れを行くことが多いです。
この地点から10分ほど漕ぐとゴールです。
ツーリング終盤は太陽が西に傾き、水面はいつもキラキラと輝いています。
8名の皆さま、カヌースクールへのご参加ありがとうございました!
4名のグループの皆さま、次回はツアーへのご参加をお待ちいたしております!!
土・日・祝日は木津川カヌースクールにどうぞご参加くださいませ。
カヌースクールのあとは全国のゲレンデに出かけましょう!!